まぶたの脂肪取りは意味がない?
「脂肪取りをしたのに変わらなかった」とならないために。美容外科医が本音で解説。美容整形の分野において、「まぶたの脂肪取り(眼窩脂肪切除)」は一部の人々に人気のある施術ですが、その必要性については慎重に考える必要があります。
患者様は「まぶたが重い」「目が腫れぼったい」といった理由で上まぶたの脂肪取りを希望しますが、実際のところ、この施術が根本的な解決になるとは限りません。その理由について解説します。
1. まぶたが腫れぼったい原因は脂肪だけではない
上まぶたが厚ぼったく見える要因として、脂肪のほかにまぶたのたるみ、眼輪筋の厚み、眼窩の骨の突出などが関与しています。
上まぶたの脂肪には3種類あり、上まぶたの脂肪取りで除去できる眼窩脂肪以外に、治療には切開法が必要なROOF脂肪の可能性もあります。
また、加齢とともに皮膚の弾力が低下し、たるみが増えることでまぶたが重く感じられることも多いのです。

上まぶたが腫れぼったい原因3種(眼窩脂肪、ROOF脂肪、皮膚のタルミ)
あなたはどっち?上まぶたの脂肪取りが「向いている人・向いていない人」
◎ 効果が出やすい人(適応あり)
- 朝起きた時に特にまぶたが腫れぼったい(日中むくみが取れる)
- まぶたの皮膚自体は薄いが、ポコッとした膨らみがある
- 指でまぶたを軽く押すと、柔らかい弾力を感じる
△ 効果が出にくい・別の施術が必要な人(適応注意)
- まぶたの皮膚そのものが分厚い・硬い
- 眉毛の下(骨のあたり)から全体的に盛り上がっている(ROOFや骨格が原因)
- 加齢による皮膚の余り(たるみ)が強い
解説
「向いていない」に当てはまる場合、脂肪取りだけを行うと、かえってシワが増えたり、変化を感じられないリスクがあります。
2.眼窩脂肪を切除してもあまり腫れぼったさが変わらない場合がある。
まぶたの腫れぼったさの原因が眼窩脂肪ではなく、骨格やたるみである場合、眼窩脂肪を切除してもわずかしか変化しなかったり、腫れぼったい印象があまり改善しない可能性があります。
カウンセリングの際に患者様の腫れぼったさの原因について説明しますので、よく考えて手術を選択してください。
3. 根本的な解決に必要なのは脂肪取りではない?最適な施術の見極め方
上まぶたの見た目を改善したい場合、単に脂肪を取るのではなく、目の形や皮膚の状態を総合的に判断することが重要です。例えば、皮膚のたるみがある場合は「上まぶたのたるみ取り手術(眉下切開)」が効果的であり、目の開きが弱い場合は「眼瞼下垂手術」が適しています。
適応を見極めれば、これだけスッキリします
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Before
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After
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医師のコメント
この患者様は眼窩脂肪が主原因だったため、脂肪取り単独でもこれだけスッキリしました。逆に、もし皮膚の厚みが原因だった場合は、この結果は出せません。
4. 失敗しないために。上まぶたの脂肪取りで重要なクリニック選び
当院では切開法だけではなく、埋没法と一緒に眼窩脂肪を切除行っています。その後の経過観察をしていますが、幸い上眼瞼の陥凹をきたした患者様はおられません。
上眼瞼陥凹で相談に来られる方のほとんどは、眼瞼下垂による眉毛挙上と眼窩脂肪の下眼瞼へ落ち込みがほとんどで、過去に上眼瞼の脂肪取りを受けていませんでした。
しかし他院では上まぶたの脂肪取りの基準が緩く、必要のない方にもおすすめしているのを見かけます。
脂肪を除去しすぎた場合、元に戻すことは困難です。まぶたがくぼんでしまった場合、ヒアルロン酸や脂肪注入で補うことはできますが、完全に自然な状態に戻すのは容易ではありません。
「取りすぎ」を防ぐ!コムロ美容外科のこだわり
一般的なクリニックでは、マニュアル通りに一定量の脂肪を取ってしまうことがありますが、当院では以下の工夫を行っています。
- 適量を見極める: 術中にまぶたの開きを確認し、窪まないギリギリのラインを見極めます。
- 位置の選定: 窪みやすい「目頭側・中央」の脂肪は温存し、重みの原因となる「目尻側」を中心にアプローチします。
結論
「上まぶたの脂肪取り」は、一見するとまぶたの腫れぼったさを解消できるように思えますが、すべての患者様に適応のある手術ではありません。むしろ、誤った施術選択をすると、老け顔になったり、逆に目元の印象が悪化する可能性があります。目元の悩みを解決するには、単に脂肪を取るのではなく、全体的なバランスを考慮した適切な施術を選ぶことが大切です。
上眼瞼の腫れぼったさが気になる場合は、症例豊富なクリニックで相談されることをお勧めします。
上まぶたの脂肪取りに関するよくある質問
Q.脂肪を取ると将来目がくぼむと聞きましたが本当ですか?
A.無計画に脂肪を取りすぎると、将来くぼむリスクはあります。しかし、当院では将来的な加齢変化も予測し、必要な脂肪は残しつつ、余分な脂肪だけを除去するため、過度な心配は不要です。
Q.脂肪取りをすると二重の幅は広がりますか?
A.まぶたの厚みが減ることで、二重ラインに乗っかっていた皮膚がスッキリし、結果的に二重幅が広く見えるようになることはあります。ただし、劇的に幅を広げたい場合は二重術や眉下切開の併用をおすすめします。
Q.ダウンタイムはどのくらいですか?
A.脂肪取り単独(あるいは埋没法との併用)の場合、大きな腫れは数日〜1週間程度で落ち着くことがほとんどです。
関連の手術
監修医情報
- 医師
- コムロ美容外科
院長 池内 秀行(いけうち ひでゆき) - 経歴
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- 平成8年 神戸大学医学部卒業
- 平成8年~神戸大学医学部付属病院麻酔科入局
- 平成9年~兵庫県立こども病院麻酔科入局
- 平成12年~大手美容外科 入局
- 平成13年~コムロ美容外科入職
- 平成17年3月~コムロ美容外科大阪院院長就任
- 平成18年4月~心斎橋コムロ美容外科クリニック院長就任
- 令和2年3月~医療法人秀晄会 コムロ美容外科へ医療法人化
- ドクターコメント
- 私の求める美容医療は、しっかりと効果を出す必要がある場合には外科手術を行える、従来の美容外科の適応で無かった症状の軽いケースは美容皮膚科、美容内科の分野で負担なく美容医療を続けて頂ける、という一人一人の患者様の悩みに可能な限り合わせられる医療です。常に新しい美容皮膚科の機器も取り入れつつも、美容外科技術とセンスを磨き、皆様に喜んでいただける美容医療の提供を目指しています。
