上まぶたの脂肪取りは意味がない?
美容整形の分野において、「上まぶたの脂肪取り(眼窩脂肪切除)」は一部の人々に人気のある施術ですが、その必要性については慎重に考える必要があります。
患者様は「まぶたが重い」「目が腫れぼったい」といった理由で上まぶたの脂肪取りを希望しますが、実際のところ、この施術が根本的な解決になるとは限りません。その理由について解説します。
1. まぶたの腫れぼったさの原因は脂肪だけではない
上まぶたが厚ぼったく見える要因として、脂肪のほかにまぶたのたるみ、眼輪筋の厚み、眼窩の骨の突出などが関与しています。
上まぶたの脂肪には3種類あり、上まぶたの脂肪取りで除去できる眼窩脂肪以外に、治療には切開法が必要なROOF脂肪や皮下脂肪の可能性もあります。
また、加齢とともに皮膚の弾力が低下し、たるみが増えることでまぶたが重く感じられることも多いのです。
2.眼窩脂肪を切除してもあまり腫れぼったさが変わらない場合がある。
まぶたの腫れぼったさの原因が眼窩脂肪ではなく、骨格やたるみである場合、眼窩脂肪を切除してもわずかしか変化しなかったり、腫れぼったい印象があまり改善しない可能性があります。
カウンセリングの際に患者様の腫れぼったさの原因について説明しますので、よく考えて手術を選択してください。
3. 根本的な解決には適切な施術が必要
上まぶたの見た目を改善したい場合、単に脂肪を取るのではなく、目の形や皮膚の状態を総合的に判断することが重要です。例えば、皮膚のたるみがある場合は「上まぶたのたるみ取り手術(眉下切開)」が効果的であり、目の開きが弱い場合は「眼瞼下垂手術」が適しています。それらの手術の際に、必要に応じて眼窩脂肪を切除すれば、腫れぼったさの改善効果がより高めることが可能です。
4. 上眼瞼脂肪取りは、症例を選べば有用です。クリニック選びの注意点
当院では切開法だけではなく、埋没法と一緒に眼窩脂肪を切除行っています。その後の経過観察をしていますが、幸い上眼瞼の陥凹をきたした患者様はおられません。
上眼瞼陥凹で相談に来られる方のほとんどは、眼瞼下垂による眉毛挙上と眼窩脂肪の下眼瞼へ落ち込みがほとんどで、過去に上眼瞼の脂肪取りを受けていませんでした。
しかし他院では上まぶたの脂肪取りの基準が緩く、必要のない方にもおすすめしているのを見かけます。
脂肪を除去しすぎた場合、元に戻すことは困難です。まぶたがくぼんでしまった場合、ヒアルロン酸や脂肪注入で補うことはできますが、完全に自然な状態に戻すのは容易ではありません。
結論
「上まぶたの脂肪取り」は、一見するとまぶたの腫れぼったさを解消できるように思えますが、すべての患者様に適応のある手術ではありません。むしろ、誤った施術選択をすると、老け顔になったり、逆に目元の印象が悪化する可能性があります。目元の悩みを解決するには、単に脂肪を取るのではなく、全体的なバランスを考慮した適切な施術を選ぶことが大切です。
上眼瞼の腫れぼったさが気になる場合は、症例豊富なクリニックで相談されることをお勧めします。
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監修医情報
- 医師
- コムロ美容外科
院長 池内 秀行(いけうち ひでゆき) - 経歴
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- 平成8年 神戸大学医学部卒業
- 平成8年~神戸大学医学部付属病院麻酔科入局
- 平成9年~兵庫県立こども病院麻酔科入局
- 平成12年~大手美容外科 入局
- 平成13年~コムロ美容外科入職
- 平成17年3月~コムロ美容外科大阪院院長就任
- 平成18年4月~心斎橋コムロ美容外科クリニック院長就任
- 令和2年3月~医療法人秀晄会 コムロ美容外科へ医療法人化
- ドクターコメント
- 私の求める美容医療は、しっかりと効果を出す必要がある場合には外科手術を行える、従来の美容外科の適応で無かった症状の軽いケースは美容皮膚科、美容内科の分野で負担なく美容医療を続けて頂ける、という一人一人の患者様の悩みに可能な限り合わせられる医療です。常に新しい美容皮膚科の機器も取り入れつつも、美容外科技術とセンスを磨き、皆様に喜んでいただける美容医療の提供を目指しています。
