プレミアム脂肪注入豊胸
プレミアム脂肪注入豊胸(ピュアグラフト)とは
PureGraft【ピュアグラフト】は自家移植用脂肪を利用したボディライン形成用のシステムで、Cytori社の革新的な脂肪ろ過技術を活用しています。
このろ過技術は脂肪吸引時に含まれた不純物(麻酔液・遊離脂質・壊死組織など)を除去し、濃縮された移植用脂肪組織を短時間(約15分程度)で抽出することが可能です。
また、洗浄回数や廃液時間を調整することで、脂肪に含まれる水分量を自由に変更することができます。
この脂肪に含まれる水分量は、注入後の生着率(移植した脂肪組織が施術後に機能している割合)を高めるために重要な目安となります。
ピュアグラフトと一般的な脂肪注入法の違い
ピュアグラフトと従来の脂肪注入法との大きな違いは、脂肪細胞の抽出方法にあります。
従来は、脂肪吸引で抽出した液を遠心分離機にかけて拡販し、脂肪細胞のみを抽出していました。しかし、脂肪細胞は非常に壊れやすい性質を持っており、遠心分離機にかけるとその遠心力によって細胞が変質したり壊死しやすくなっていました。
ピュアグラフト注入法は遠心分離機を一切使用せず、脂肪吸引後の益を特殊な装置でろ過することで、不純物(麻酔液・遊離脂質など)を取り除き、脂肪細胞をよりピュアな状態にすることができます。
脂肪細胞を変質させずに注入することができるので、注入後の生着率も高まるのと同時に、今まで可能性が高かった注入後のしこり形成のリスクも抑えられるようになりました。
ピュアグラフト注入法 | 従来の脂肪注入法 | |
---|---|---|
脂肪抽出法 | 専用の機器を使用して吸引した脂肪をろ過して抽出する | 遠心分離機を使用して脂肪と不純物を分ける |
生着率 | 50~70% | 30~50% |
持続性 | よりピュアな状態に近い脂肪細胞を注入するため定着率が高く効果も持続する | 注入した脂肪の半分以上が吸収されてしまうため持続力が弱い |
脂肪の純度 | 高い | 低い |
プレミアム脂肪注入豊胸はこんな人におすすめ
- 自然に豊胸したい
- 傷跡を残したくない
- 注入後にしこりができないか心配
- 長期間持続する注入法を試したい
- バック注入には抵抗がある
- トータルのボディラインを整えたい
プレミアム脂肪注入豊胸とシリコンバック豊胸との比較
脂肪注入豊胸と並んで多いのがコヒーシブシリコンバックを使用した、シリコンバック豊胸です。どんな施術にもメリットとデメリットがあります。 患者様ご自身が一番優先したい点、ある程度犠牲にしても良い点をわかりやすく表してまとめました。
プレミアム脂肪注入 | シリコンバック豊胸 | |
---|---|---|
手術方法 | 採取した脂肪から不純物を取り除きバストに注入 | シリコンバッグを乳腺下もしくは、大胸筋下に注入 |
サイズ | 1カップ強 | 2カップ以上 |
メリット | 異物を体内に入れない、脂肪採取部位の瘦せが期待できる | 脂肪注入よりもバスト大きくなる、痩せて脂肪吸引できない方も手術可能 |
デメリット | しこりができる可能性(良性)、期待したほど大きくならない、脂肪吸引部位のダウンタイム | バッグが触れる可能性がある、バッグの劣化、被膜拘縮の可能性 |
脂肪注入を選ばれた方が重視しているポイント
当院にてシリコンバック豊胸ではなく、脂肪注入を選ばれた方の、重視している点な何でしょうか?
一番多かったのは異物を入れることに対する恐怖感でした。シリコンバックも昔に比べ改良され、被膜拘縮などの合併症のリスクもかなり下がりました。脂肪注入についても、蜂窩織炎でのリスクがあり、脂肪が炎症で溶けてしまうリスクもあります。
2つ目が脂肪吸引を第一に考えている方が、脂肪注入を選ばれるケースが多かったです。
ただし吸引部位によっては、脂肪吸引量が少なくあまりバストアップできない可能性もあります。 当院のカウンセリングで詳しく説明させていただきますので、よく考えて手術法を選んでいただければと思います。
プレミアム脂肪注入豊胸の治療の流れ
- 1. カウンセリング
- 診察の結果、患者様の希望に合った施術方法をご提案します。併せて、施術後の注意点、可能性のある副作用等も説明しますので、疑問点があれば、しっかりと聞いてください。
- 2. 問診、検査
- 血液検査では、貧血、肝機能、腎機能、血糖値、凝固機能、感染症をチェックします。3か月以内の検査データがあれば、当院での血液検査の省略が可能です。
バッグの状態を確認するために、胸の超音波エコー検査を行います。バッグの状態、乳がんを含む腫瘍のチェック、乳腺の厚さなどを調べます。(別途費用が必要です)手術前の、絶飲食、服装等の注意点もお話します。 - 3. 術前カウンセリング、デザイン
- 手術前に、再度注意点を説明します。マーカーにて注入部位と、吸引部位のデザインを行います。脂肪吸引部位は、大腿がお勧めです。腹部、上腕、ふくらはぎからの脂肪吸引は、量が不足する可能性があります。
- 4. 麻酔
- プレミアム脂肪注入豊胸術による脂肪注入の際には、全身麻酔で行います。
手術中に痛みを感じることはありません。
*硬膜外麻酔は、薬剤入荷未定のため休止中です。 - 5. 手術
- まず脂肪吸引を行います。プレミアム脂肪注入豊胸術では、両側で400~600㏄の脂肪を吸引します。通常の機械吸引では脂肪細胞が壊れてしまうため、シリンジ(注射器)を使用した手動吸引で脂肪を採取します。
- 6. 脂肪分離、洗浄
- ピュアグラフトを使って、吸引脂肪中の余分な血液、水分、オイル、を分離します。途中で洗浄の過程がありますが、ピュアグラフトの特殊フィルターによって、幹細胞や成長因子を逃しません。
- 7. 脂肪注入
- 脇の部分と、乳輪縁、乳房下縁の3か所から脂肪を注入していきます。注入の際には、先端が丸いカニューラを使い、血管を傷つけないよう注意深く行います。
- 8. 手術後
- 脂肪吸引した部分を、包帯や圧迫下着で圧迫固定し、腫れや内出血を抑えるようにします。胸は包帯等の圧迫は行いません。全身麻酔が切れるまで数時間休んでいただき帰宅していただきます。入院は通常必要ありません。
- 9. 手術当日~3日
- 手術当日は、運動を避けゆっくりとお休みください。手術後3日目で、圧迫固定を解除し、傷に防水テープをつけてシャワー浴が可能です。医師の許可が出るまでは、24時間の脂肪吸引部の下着固定を続けていただきます。胸は、強い圧迫やうつぶせ寝は避けてください。(胸への強い圧迫は、脂肪の定着率を下げる原因になります。)
- 10. 1週間後
- 脂肪吸引部の圧迫を解除します。脂肪吸引部のむくみを取るために、痛くない程度のマッサージを始めていただきます。内出血、むくみはゆっくり引いていきますが、それらの症状を抑える漢方薬の追加処方も行っています。
- 11. 1か月後
- 脂肪吸引部のむくみが取れ、代わりにツッパリ感が出てくる時期です。脂肪吸引部のマッサージを引き続き、行っていただきます。注入脂肪がほぼ定着する時期で、注入時の60-70%まで小さくなりますが、柔らかさが出てきて、胸のサイズは、ほぼ落ち着きます。
2か月で脂肪吸収が落ち着き、皮膚が伸びてほぼ完成状態のばすとになります。
- 12. 3か月後
- 胸、脂肪吸引部いずれもリンパのむくみの取れる時期です。圧迫固定が不要になります。特に気を付ける点はありませんが、しこりのチェックのために、胸の超音波エコーをお勧めします。
施術後には一定期間、痛み、浮腫み、内出血、こわばり等の症状が見られることがあります。また、この他にも予期しない症状が現れる可能性がありますので、術後異常を感じた際には速やかにご相談ください。
手術費用
項目 | 費用(税込み) |
---|---|
プレミアム脂肪注入豊胸 | 440,000円 |
全身麻酔 | 110,000円 |
血液検査 | 11,000円 |
別途脂肪吸引の費用が必要になります。
院長のコメント
ピュアグラフト豊胸術は、気になる部分の脂肪吸引をした後、その脂肪細胞だけを抽出してバストに注入する豊胸術です。
ご自身の脂肪細胞を注入するため、アレルギーなどの拒絶反応も起こりにくく、とても自然な仕上がりです。
また従来の脂肪注入法では、一部に大量の脂肪を注入するとその部分にしこりが出来るなどのリスクを伴いましたが、ピュアグラフトでの豊胸術では特殊なフィルターを通してより純度が高くなった脂肪細胞を注入するため、このリスクが格段に低下します。
よりナチュラルに、より長く効果を持続させたい方におすすめの施術です。