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切らないケロイド・瘢痕の治療【ケナコルト注射治療】

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メスを使わない傷跡・ケロイド・瘢痕の修正とは

傷跡にはいくつかの種類があり、それぞれに適した治療法があります。ここでは、メスを使わずに傷跡の盛り上がりを改善する「ステロイド注射」について、傷跡の種類とあわせて分かりやすく解説します。

まずは知っておきたい、傷跡の主な種類

ひとくちに「傷跡」といっても、その状態によっていくつかのタイプに分けられます。

肥厚性瘢痕(ひこうせいはんこん)

特徴: ケロイドとよく似ていますが、盛り上がりが元の傷の範囲内に収まる点が大きな違いです。一般的に「ケロイド」と呼ばれているものの多くはこちらに該当します。

ケロイド

特徴: 体質や遺伝が大きく関係し、元の傷の範囲を超えて大きく赤く盛り上がります。

できやすい場所: 胸、肩、お腹、耳など。

注意点: ケロイド体質の方が手術で切除すると、再発したり以前より悪化したりする可能性があります。

肉芽腫(にくげしゅ)

特徴: ピアスなどの異物や、感染症などが原因で組織が過剰に増えてしまった状態です。ケロイドの一種とされています。

なぜメスを使わない?ケロイド治療とステロイド注射

前述の通り、ケロイド体質の方が安易に手術で傷跡を切除すると、かえって症状が悪化するリスクがあります。そのため、メスを使わずに盛り上がりを抑える「ステロイド注射(ケナコルト注射)」が治療の選択肢となります。一部の肉芽腫は、ケナコルト注射よりも切除が向いています。

【治療法】ステロイド注射とは

方法: 傷跡の赤く盛り上がった部分に、直接ステロイド薬(ケナコルト)を注射します。

効果: 薬の作用で盛り上がりが平らになり、赤みも著しく改善されます。1回の注射で効果が見られることもありますが、基本的には状態を見ながら数回の治療を重ねることが一般的です。

  • ケナコルト注射初回の背中の状態

    ケナコルト注射初回

  • ケナコルト注射2回目の背中の状態

    ケナコルト注射2回目

  • ケナコルト注射3回目の背中の状態

    ケナコルト注射3回目

こういった症状にケナコルト注射は効果的です

ケナコルト注射は、傷跡の赤みや盛り上がりを改善する治療です。特に、以下のような症状に効果が期待できます。

  • ケロイド: 元の傷の範囲を超えて広がる、赤く盛り上がった硬い傷跡。体質的な要因が大きく、胸や肩、耳などにできやすい傾向があります。
  • 肥厚性瘢痕(ひこうせいはんこん): 傷跡の範囲内で赤く盛り上がった状態。ケロイドと似ていますが、元の傷の大きさを超えて広がることはありません。
  • 肉芽腫(にくげしゅ): ピアスの穴など、異物への反応や感染によって組織が盛り上がったもの。
  • かゆみや痛みを伴う傷跡: ケナコルトの抗炎症作用により、傷跡に伴う不快な症状を和らげます。

※できてから時間が経過した古い傷跡でも、赤みや盛り上がりがあれば治療の対象となります。ただし、白く平坦になった傷跡や、凹んでしまった傷跡には効果がありません。

【注意点】慎重な判断が必要です

ステロイド注射は有効な治療法ですが、注意も必要です。

凹んでしまうリスク:
薬の効果が強く出すぎると、盛り上がっていた部分が逆に凹んだ傷跡になってしまうことがあります。

適用箇所の見極め:
盛り上がりが少ない傷跡に注射をすると、凹んでしまうリスクが高まります。そのため、治療に適しているかどうか、医師による慎重な診断が非常に重要です。

ケナコルトの効果の調整方法は? コムロ美容外科が行っている秘訣を公開

ケナコルト注射は瘢痕組織に作用し、ボリュームを減らすことでふくらみを改善する効果があります。しかしケナコルトは、脂肪細胞や、筋肉細胞、皮膚細胞など、他の柔らかい組織にも効いてしまうため、注入層や注入量が適切でない場合、皮膚表面の陥凹をきたす可能性があります。 

ケナコルト注射は、理想どおりに効けば他の治療では期待できない劇的な効果が得られます。メリット、デメリットを十分理解していただいたうえで、経験のある医師にしてもらうのが良いでしょう。

濃度の調整(一回当たりの効果に関係)

ケナコルトはバッファと呼ばれる水に、ケナコルトを閉じ込めたマイクロカプセルが浮かんでいる薬剤です。濃度が濃いほど一回当たりのふくらみ改善効果は大きくなり、逆に陥凹するリスクが高くなります。当院では、希釈した状態からスタートし、効果を見ながら濃度を濃くしたり、薄めたりすることで調整します。

量の調整(治療範囲に関係)

ケナコルトの注射量を増やした場合、広範囲の治療が行えます。逆に治療範囲に比較して注射量が多いと、正常部位にまで薬液が流れ、周囲の陥凹の可能性があります。
治療範囲にあった注射の量を使用するのが重要です。

注射の回数(治療の効果に関係)

ケナコルトによる治療は、注射面積当たりの注射量と、何回行ったかの掛け算で効果の調整が可能です。

注射後、約1週間でふくらみの改善が実感でき、3週間程度待ってから再度注射を行うことで、さらにふくらみを改善することが可能です。 途中で治療を中断しても後戻りはしませんので、ごあんしんください。治療が進むにつれて、平坦になり、注射が不要な部位も出てきます。その際には、ケナコルトの注入場所、量、濃度を調整させていただきます。ご安心ください。

ケナコルトAケナコルトA

項目・薬剤 費用
ケナコルト原液0.1ccあたり ¥5,500~¥11,000(税込)

ケナコルト注射の作用と効果

ケナコルト(トリアムシノロンアセトニド)は、ステロイドの一種であり、その強力な抗炎症作用と線維芽細胞の増殖抑制作用によって、傷跡の盛り上がりを改善します。ケロイドや肥厚性瘢痕は、傷が治る過程でコラーゲンが過剰に産生されることによって生じます。ケナコルトを盛り上がった傷跡に直接注射することで、以下の効果が期待できます。

瘢痕やケロイドの赤みの改善

傷跡や、ケロイドの赤みが強い原因は、炎症が内部でおこっているためです。ステロイドの効果で傷跡内部の炎症を鎮め、毛細血管を萎縮させることで、目立つ赤みを軽減します。

盛り上がりの平坦化

コラーゲンを作る細胞(線維芽細胞)の働きを抑制し、過剰なコラーゲンの産生を抑えることで、硬くなった組織を柔らかくし、盛り上がりを平坦にしていきます。

かゆみ・痛みの軽減

傷跡に伴う不快なかゆみや、痛みを和らげる効果もあります。

治療の回数・頻度と適切な「量」の重要性

ケナコルト注射は、一度で完了する治療ではありません。傷跡の状態を見ながら、適切な間隔で治療を継続することが重要です。

ケナコルト注射は何回くらい必要?

傷跡の大きさ、硬さ、盛り上がりの程度によって必要な治療回数は大きく異なります。一般的には、2~3週間に1回の間隔で注射を行い、1週間後くらいで効果を実感し始めます。一回で平坦化まで行くことはなく、3~5回程度必要です。

ケナコルト注射の「量」はどのくらい必要?

注射するケナコルトの量(濃度と注入量)の調整は、この治療で最も重要なポイントです。注入する量が多すぎたり、濃度が高すぎたりすると、傷跡の周りの正常な皮膚まで萎縮してしまい、凹み(陥没)や白斑、毛細血管拡張といった副作用のリスクが高まります。当院では、傷跡の状態を慎重に診察し、副作用のリスクを最小限に抑えながら最大の効果が得られるよう、濃度、注入層を調整しながら行います。

副作用・ダウンタイム

麻酔
ケナコルト注射に局所麻酔を混ぜて行いますので、あまり痛みはありません。
必要に応じてクーリングしながら注射します。
手術の所要時間
5~10分程度
日常生活
入浴やシャワーは当日から可能ですが、強くこするなどの刺激は控えてください。
飲酒は24時間お控えください。
1週間程度、注入部位への圧迫は避けてください。
副作用・ダウンタイム
むくんだ様な感じで腫れることがありますが、数日くらいで徐々に落ち着いていきます。
内出血が出た場合、1~2週間程度で落ち着いてくるので、その間はメイクでカバーして下さい。
2~3日間程度、注入部位に鈍痛や赤みが生じることがあります。
副作用として、注射部位の皮膚の血管が浮き出て見えることがあります。
総称名 ケナコルト−A
一般名 トリアムシノロンアセトニド
欧文一般名 Triamcinolone Acetonide
製剤名 トリアムシノロンアセトニド水性懸濁注射液
製造会社 ブリストル・マイヤーズスクイブ
薬効分類名 合成副腎皮質ホルモン剤
承認医薬品 承認医薬品であるが、保険診療外の美容外科において適応外使用の為、適応外使用である。

ケナコルト注射に関するよくある質問

Q. 注射の時、痛みはありますか?

A. 注射針を刺す際にチクッとした痛みと、薬剤を注入する際に少し押されるような痛みを感じることがあります。注射針はヒアルロン酸注射にも用いられる、極細の30G針を使用しており、局所麻酔を使用していますのであまり痛みはありません。痛みの感じ方には個人差がありますが、痛みに弱い場合はクリーム麻酔を使用したり、十分に冷却したりすることで、痛みを最小限に抑える工夫をしていますのでご安心ください。

Q. 治療後に腫れたり、普段の生活に制限はありますか?

A. 注射後、数日間は注入部位に赤みや軽い腫れ、鈍痛が出ることがありますが、日常生活に大きな支障はありません。シャワーや入浴も当日から可能です。ただし、治療当日の飲酒や、傷跡を強くこするなどの刺激は避けてください。

Q. 1回の注射で効果はわかりますか?

A. 傷跡の状態にもよりますが、1回の注射で効果を実感できることは稀です。1週間程度で盛り上がった傷が平らに近づいていきます。通常、治療を重ねるごとに徐々に傷跡の盛り上がりが平らになり、赤みや硬さが引いていきます。多くの方は2~3回目以降から変化を感じ始めます。焦らずに治療を続けることが大切です。

Q. どんな傷跡にも効果がありますか?古い傷跡でも治せますか?

A. ケナコルト注射は、皮膚が赤く盛り上がっている「ケロイド」や「肥厚性瘢痕(ひこうせいはんこん)」に特に有効です。できてから何年も経っている古い傷跡でも、盛り上がりや赤みがあれば治療の対象となります。ただし、白く平らになった成熟瘢痕や、凹んでしまった傷跡には効果がありません。

Q. 注射をしたら、傷跡が逆に凹んでしまうことはありませんか?

A. 薬剤の量や濃度が適切でなかったり、注射する深さが深すぎたりすると、傷跡やその周辺の皮膚が凹んでしまう(皮膚萎縮)リスクがあります。一度凹んでしまうと元に戻すのは難しいため、当院では傷跡の状態を慎重に見極め、副作用のリスクを最小限に抑えた適切な量と方法で丁寧に注入しています。皮内や、原液のまま注入すると皮膚陥凹のリスクが跳ね上がるため、希釈して使用し、皮内ではなく皮下の瘢痕に注射を行います。

Q. 治療をやめると、また元に戻ってしまいますか?

A. 肥厚性瘢痕の場合は、一度改善すれば再発することは少ないです。しかし、ケロイドは体質的な要因が関わっているため、治療で平らになっても、数年後に再発する可能性があります。再発を防ぐためにも、治療後も傷跡を刺激しないようにケアすることが大切です。当院では、赤み治療目的のVレーザー照射や、医療脱毛でケロイドが再燃したことがあります。万が一、再発の兆候が見られた場合は、早めにご相談ください。

監修医情報

医師
医療法人秀晄会コムロ美容外科(大阪・心斎橋)
院長 池内 秀行(いけうち ひでゆき)

経歴
  • 1996年(平成8年) 神戸大学医学部卒業
  • 1996年~ 神戸大学医学部付属病院麻酔科入局
  • 1997年~ 兵庫県立こども病院麻酔科入局
  • 2001年~ コムロ美容外科入職
  • 2006年4月~ 心斎橋コムロ美容外科クリニック 院長就任
  • 2020年3月~ 医療法人秀晄会 コムロ美容外科へ医療法人化

資格
  • 日本麻酔科学会会員
  • 麻酔科標榜医
  • 日本美容外科学会(JSAS)会員
  • 美容外科(JSAS)専門医
  • アラガンボトックスビスタ認定医
  • アラガンジュビダーム認定医
ドクター紹介