トレチノイン・ ハイドロキノン療法
自宅できるシミ治療 トレチノイン・ハイドロキノン療法
トレチノイン・ハイドロキノン療法は、作用の異なる2つの塗り薬を併用し、クリニックレベルの治療を自宅で行うプログラムです。
- トレチノイン(ビタミンA誘導体):肌のターンオーバー(生まれ変わり)を強力に促進し、メラニンを排出させます。
- ハイドロキノン:「肌の漂白剤」とも呼ばれ、表面に浮き出てきたシミ(メラニン)を白くします。
なぜ、市販の美白剤ではシミが消えないのか?
表皮の細胞は、一番深い「基底層」で生まれ、徐々に表面へ押し上げられて、最後は垢(あか)となって剥がれ落ちます。これをターンオーバーと呼びます。
多くのシミは、この深い「基底層」付近に滞留しています。市販の美白剤は「メラニンを作らせない」予防効果はあっても、「奥にあるメラニンを外へ押し出す力」はありませんでした。
この治療法が「シミに効く」理由
そこで登場したのが、このトレチノイン・ハイドロキノン療法です。
- 1. トレチノインが「押し出す」:表皮の細胞分裂を活発にし、ターンオーバーのスピードを劇的に速めます。これにより、肌の奥に居座っていたメラニン色素を強制的に外へ排出します。
- 2. ハイドロキノンが「守る・白くする」:ターンオーバーが急激に進むと、肌は一時的に炎症(赤み)を起こしやすい状態になります。ハイドロキノンを併用することで、炎症による新たな色素沈着(戻りジミ)を防ぎながら、今あるシミを漂白します。
こんな症状の改善に効果があります
治療の結果、古い皮膚が剥がれ落ち、メラニン色素の少ない新しい赤ちゃんの肌へと置き換わっていきます。シミ治療として有名ですが、実は以下のような多岐にわたるお悩みにも高い効果を発揮します。
1. シミ・色素沈着
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肝斑(かんぱん):特に効果が期待できるシミの一つです。ハイドロキノンがメラニン色素の生成を抑え、トレチノインが肌のターンオーバーを促進して色素の排出を促します。【肝斑治療に効果的なレーザートーニングはこちら】
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老人性色素斑(日光黒子):日光 にあたることによってできる一般的なシミにも効果的です。【シミ治療に効果のあるシミ取りレーザーはこちら】
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炎症後色素沈着(PIH):ニキビ跡や傷跡などの炎症後に残る色素沈着にも有効です。
2. ニキビ・ニキビ跡
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ニキビ(尋常性ざ瘡):トレチノインが角質層の異常な肥厚を改善し、毛穴の詰まりを解消することで、ニキビの発生を抑制します。また、皮脂の分泌を抑制する効果も期待できます。
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ニキビ跡の凹凸(軽度):トレチノインのピーリング作用により、軽度のニキビ跡の凹凸が改善されることがあります。
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ニキビ跡の色素沈着:上記のシミと同様に、ハイドロキノンとトレチノインの相乗効果で改善が期待できます。
3. 小じわ・肌のハリの改善
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トレチノインは、線維芽細胞を刺激してコラーゲンやエラスチンの生成を促進するため、小じわの改善や肌のハリの向上が期待できます。
4. 毛穴の開きの改善
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トレチノインが角質層の正常化を促し、毛穴の詰まりを解消することで、毛穴の開きが目立ちにくくなることがあります。
5. 肌のターンオーバーの促進
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全体的に肌のターンオーバーを促進することで、くすみの改善や肌質の均一化にも寄与します。
大阪・心斎橋で「東大式」の本格治療を 〜コムロ美容外科の3つのこだわり〜
1. 大阪にいながら「東大病院製剤部」の薬剤を使用
トレチノインは非常にデリケートで、鮮度と濃度管理が命です。当院は大阪のクリニックですが、東京大学製剤部(東京調剤)と直接提携。大学病院クオリティの新鮮で高濃度な製剤を、心斎橋で処方可能です。
東大の吉村先生の治療方法に準じていますが、下記のページも参照ください。
トレチノイン(レチノイン酸)療法-東京大学-
参考文献:トレチノイン(レチノイン酸)療法について(外部サイト)
2. 専門医によるきめ細かな「肌診断と指導」
この治療は「塗り方」と「副作用(皮むけ)のコントロール」が成功の鍵です。当院では処方して終わりではなく、大阪・心斎橋の院長自らが肌の状態を診察し、ライフスタイルに合わせた使用頻度を丁寧に指導します。
3. 通いやすい立地と明朗会計
2週間ごとの検診が必要な治療だからこそ、通いやすさは重要です。当院は、大阪メトロ御堂筋線の心斎橋駅からすぐの好立地。仕事帰りや買い物のついでに通院いただけます。
トレチノイン、ハイドロキノンの作用について
トレチノイン(ビタミンA誘導体)の働き

トレチノイン(Tretinoin)は、ビタミンA誘導体であり、細胞の成長や分化を調節することにより、さまざまな治療効果を発揮します。
皮膚における作用
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角化細胞のターンオーバー促進:トレチノインは、皮膚の角化細胞に存在するレチノイン酸受容体(RAR)およびレチノイドX受容体(RXR)と結合し、角化細胞の増殖と成熟が促進され、皮膚のターンオーバーが正常化されます。
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コラーゲン合成の促進:トレチノインは、真皮層でのコラーゲン(特にタイプI)の合成を促進し、皮膚の弾力性やハリを改善します。これにより、しわやたるみの改善が期待できます。
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炎症の抑制:トレチノインは、アクネの原因となる炎症を抑制する作用があります。これにより、赤みや腫れを軽減し、アクネの症状を改善します。
作用の分子メカニズム
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レチノイン酸受容体(RAR)およびレチノイドX受容体(RXR)との結合:トレチノインは、これらの受容体と結合し、遺伝子の転写を調節します。これにより、細胞の増殖や分化が制御されます。
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AP-1転写因子の抑制:トレチノインは、AP-1転写因子の活性を抑制し、炎症を引き起こす遺伝子の発現を抑えます。これにより、炎症の軽減が期待できます。
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コラーゲン合成の促進:トレチノインは、真皮層でのコラーゲン合成を促進し、皮膚の構造を改善します。これにより、しわやたるみの改善が期待できます。
これらの作用により、トレチノインはほかの薬剤では難しい、アクネの治療や皮膚のエイジングケアにおいて重要な役割を果たしています。しかし、重篤な副作用も報告されており、使用に際しては医師の指導のもとで適切に使用することが重要です。
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トレチノイン0.4%
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トレチノイン0.2%
ハイドロキノンの働き
ハイドロキノンとは、メラニン生成の原因となる「チロシナーゼ」という酵素の活動を抑える成分です。しみ・色素沈着などに強い効果があります。また、皮脂腺の働き・皮脂の分泌を抑えられるため、ニキビ改善にも有効です。一般的な美白化粧品に使用される美白成分のコウジ酸などと比べて、数十倍の効能があるといわれています。
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ハイドロキノン
治療の流れとプロトコル(治療期間について)
本治療は、お肌のターンオーバーを強力に促してシミを排出する「①漂白期」と、きれいになったお肌を安定させる「②治癒期」を1つのサイクルとして行います。

① 漂白期(メラニン排出期):2~6週間
トレチノインとハイドロキノンを併用し、肌の奥にあるメラニン色素を浮き上がらせて排出させます。
反応について
治療開始から3~4日ほどで、赤み、皮膚の剥離(皮むけ)、乾燥といった反応が現れます。これは古い角質が剥がれ落ちている証拠であり、薬が効いているサインでもあります。
② 治癒期(炎症鎮静期):シミ改善後
シミが薄くなった段階で、お肌を落ち着かせる期間に入ります。トレチノインの使用を中止し、ハイドロキノンのみを広範囲に使用して、炎症後の色素沈着を防ぎながらお肌を整えます。
【重要】治療サイクルのルール
お肌への負担を考慮し、1クールのトレチノイン使用期間は最大2ヶ月程度となります。まだシミが残っている場合でも一度休薬し、次のクール(2周目)を行う場合は、必ず最低1ヶ月の休薬期間を設けます。※トータルの治療期間は、肌質や症状により6ヶ月~1年程度が目安です
トレチノイン・ハイドロキノンの使用方法
- 1.洗顔し、ビタミンCローションをお顔に塗ります。
- 2.トレチノインゲルを、綿棒を使ってはみ出さないように患部に塗り、乾かします。
- 3.ハイドロキノン軟膏をトレチノインよりも広めに塗ります。
- 4.朝はおきられましたら、軟膏をふき取っていただき、必ず日焼け止めを、お使いください。
使用上の注意点
- 1.薬が酸化するのを防ぐために、使用後は容器の蓋を閉め、冷蔵庫にて保管してください。絶対に、冷凍しないでください。
- 2.治療期間は、およそ2カ月になります。
- 3.トレチノイン治療中は経過をみる必要があるので、2週間おきの検診をさせていただきます。
- 4.トレチノインは、妊娠中の方には使えません。
- 5.飲むニキビ治療薬のアクネトレント(イソトレチノイン)との同時使用はできません。
【東大監修】トレチノイン・ハイドロキノンの料金
| トレチノイン5g(2本)+ ハイドロキノン5g(2本) |
セット料金 12,650円 (約1〜1.5ヶ月分になります) |
*必要に応じて東京大学製剤部(東京調剤)に発注しますので、お渡しまでに1週間程度かかります。
トレチノイン・ハイドロキノンの注意すべき副作用、リスク
トレチノインの主な副作用(レチノイド反応)
治療を開始して数日から2週間ほどで、以下のような症状が塗り薬を塗った部分に現れることが多くあります。
赤み・ほてり
皮膚が赤くなり、少し熱を持っているような感覚になることがあります。
皮むけ・落屑(らくせつ)
古い角質がポロポロと剥がれ落ちてきます。これは、トレチノインの作用で肌の生まれ変わりが急激に促進されているために起こります。無理に剥がすと肌を傷つける原因になるので、自然に剥がれるのを待ちましょう。
乾燥・つっぱり感
肌が乾燥しやすくなり、つっぱるような感じがすることがあります。保湿をしっかり行うことが重要です。
ヒリヒリ感・かゆみ
洗顔時や化粧水をつけた時などに、ヒリヒリとした刺激やかゆみを感じやすくなります。
これらのレチノイド反応は、肌がトレチノインに慣れてくるにつれて、通常は数週間から1ヶ月半ほどで徐々に落ち着いていきます。
その他の注意すべき副作用・リスク
炎症後色素沈着
レチノイド反応による炎症が強く出すぎたり、皮むけを無理に剥がしたり、紫外線を浴びたりすると、かえってその部分がシミのように黒ずんでしまうことがあります。
光線過敏症(紫外線への感受性向上)
治療中の肌はバリア機能が一時的に低下し、非常にデリケートな状態です。そのため、紫外線の影響を普段よりも強く受けやすくなります。紫外線対策を怠ると、赤みや色素沈着が悪化する原因になります。
催奇形性(さいきけいせい)
妊娠中の方、授乳中の方、妊娠の可能性がある方はトレチノインを使用できません。内服薬ほどのリスクはありませんが、安全のため塗り薬であっても使用は禁忌とされています。
副作用が出た場合の対処法
保湿を徹底する
低刺激の化粧水やクリームで十分に保湿し、乾燥を防ぎましょう。
紫外線対策を徹底する
日焼け止め(SPF30以上推奨)を必ず塗り、帽子や日傘も活用してください。
刺激を避ける
ゴシゴシ洗顔したり、ピーリング剤やスクラブ入りの化粧品を使ったりするのは避けましょう。
医師に相談する
赤みや痛みが我慢できないほど強い場合や、水ぶくれなどができた場合は、自己判断で中止せず、必ず処方を受けた医師に相談してください。薬の濃度や使用頻度を調整することで、症状をコントロールできる場合があります。
トレチノイン・ハイドロキノン療法 よくある質問
【治療中の反応・副作用について】
Q.治療中に皮むけや赤みは必ず出ますか?どのくらい続きますか?
A.はい、多くの場合で治療開始後、数日から1週間ほどで赤み、ヒリヒリ感、乾燥、そして古い角質がポロポロと剥がれ落ちる「皮むけ」といった症状が現れます。これはトレチノインの作用によって肌のターンオーバーが活発になっている証拠であり、「A反応(レチノイド反応)」と呼ばれる正常な経過です。通常、これらの反応は治療開始後1〜2週間がピークとなり、肌が薬に慣れてくるにつれて徐々に落ち着いていきますのでご安心ください。もし反応が強すぎて辛い場合は、使用頻度や薬の量を調整しますので、遠慮なく医師にご相談ください。
Q.敏感肌でも治療を受けることはできますか?
A.はい、可能です。ただし、肌の状態を丁寧に診察させていただき、通常よりも低い濃度のトレチノインから開始したり、塗布する日数や時間を調整したりするなど、患者様一人ひとりの肌質に合わせた治療計画をご提案します。カウンセリングの際に、普段の肌状態や化粧品でのトラブル経験など、些細なことでもお聞かせください。
【効果について】
Q.効果はどのくらいで実感できますか?
A.患者様の肌質や症状の程度によって個人差はありますが、多くの方は治療を始めてから4週間〜8週間(約1〜2ヶ月)ほどで、シミが薄くなってきた、肌にハリが出てきた、化粧ノリが良くなったといった効果を実感され始めます。まずは1クール(約2ヶ月)を目安に治療を継続していただくことが大切です。
Q.治療をやめたら、またシミは元に戻ってしまいますか?
A.治療によって一度薄くなったシミが、すぐに全く同じ状態に戻ることはありません。しかし、シミの根本原因であるメラニンを生成する働きが完全になくなるわけではないため、日々の紫外線対策を怠ると新たなシミができてしまう可能性はあります。治療終了後も、日焼け止めを習慣にしていただいたり、ハイドロキノンなどの美白剤を継続してご使用いただいたりすることで、美しい肌の状態を長くキープすることができます。
【日常生活・スキンケアについて】
Q.皮が剥けすぎて痛い場合はどうすればいいですか?
A.無理に我慢せず、すぐに休薬してください。 その後、当院までご連絡ください。医師の診察のもと、薬剤の濃度調整(0.1%〜0.4%)や、塗布頻度を「2日に1回」に減らすなどのコントロール法を細かく指導させていただきます。
Q.治療中は、なぜ日焼け対策がそんなに重要なのでしょうか?
A.治療中の肌は、ターンオーバーが促進されて新しい皮膚に生まれ変わっている最中のため、バリア機能が一時的に低下し、紫外線の影響を非常に受けやすい状態になっています。この時期に無防備に紫外線を浴びてしまうと、かえってシミが濃くなる「炎症後色素沈着」というリスクが高まります。季節や天候にかかわらず、外出時はもちろん、室内で過ごす日でもSPF30・PA 以上の日焼け止めを必ずご使用ください。
監修医情報
- 医師
- 医療法人秀晄会コムロ美容外科(大阪・心斎橋)
院長 池内 秀行(いけうち ひでゆき)
- 経歴
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- 1996年 神戸大学医学部卒業・同大麻酔科入局
- 2000年 大手美容外科 入職
- 2001年 コムロ美容外科入職
- 2006年 心斎橋コムロ美容外科クリニック 院長就任
- 資格
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- 日本麻酔科学会会員
- 麻酔科標榜医
- 日本美容外科学会(JSAS)会員
- 美容外科(JSAS)専門医
- アラガンボトックスビスタ認定医
- アラガンジュビダームビスタ認定医


